上富田町岡の田中神社は、その名の通り田に囲まれている神社で境内には県文化財に指定されている岡藤があります。この神社は、その昔、岡川八幡社の上手の倉山から、大水のときに森全体が流れ着いたのだといい伝えられています。それで、六月初丑の日の例祭には、もとの岡川の地でとれたフキ・ミョウガ・コウジミカンを岡川三品として、今でも特に供えることになっています。森全体でなく、社殿が神符が流れ着いたのだろうという人もいるが、夜中に森が流れるときに、森の中に堤灯が幾張もともっていて、岡川の人たちは泣きながらその灯を見送ったのだといいます。もっとも、これが明治二十二年の水害のときのことのように話されたりもします。
天保年間にできた紀伊続風土記には、村のとして記録されています。
また、境内の手洗鉢には、今は楠の根に囲まれて見えなくなっているが、延宝の年号が刻まれているというから、この地に祀られたのも新しいことではありません。
<熊野文庫より引用>
天保年間にできた紀伊続風土記には、村のとして記録されています。
また、境内の手洗鉢には、今は楠の根に囲まれて見えなくなっているが、延宝の年号が刻まれているというから、この地に祀られたのも新しいことではありません。
<熊野文庫より引用>